1976(昭和51)年生まれ。
武蔵野学園小学校(当時は漢字表記)の1989(平成元)年3月卒業生。
1999(平成11)年3月学習院大学法学部政治学科を卒業後、武蔵野学園小学校に勤務。勤務の傍ら、青山学院大学文学部第二部教育学科に通い小学校教諭第一種免許状を取得。
2002(平成14)年4月からは低学年から高学年の担任を経験。
2018年(平成30)年4月から第4代校長に就任。
著書「むさしの学園小学校の母親を変える教室」(経済界)
遡ること間もなく100年。1924(大正13)年4月10日、玉川上水べりの桜は満開、見事な日本晴れという日、東京府北多摩郡武蔵野村に、3人の教師と6人の子ども達が集って、むさしの学園小学校は誕生しました。
創立者の一人、佐藤藤太郎は、このような言葉を残しています。
「子らを煉瓦の牢獄に閉じ込め、知識の砂礫を与えて怪しまぬ今の教育をのろう。我らは、やさしい子羊を青草の野に導く貧しい羊飼いとして、自然に帰る教育がしたい」
この理念を「田園の教育」として初等教育の実践に人生のすべてをかけた創立者の言葉に思いを致し、今日の大人は子ども達を閉じ込め、砂礫を与えていないか、顧みます。
100年の時を経て、物の豊かさは創立当時とは比べるまでもないでしょう。しかし、大人は子ども達を大人の都合や立場という煉瓦の牢獄に閉じ込めてはいないでしょうか?また、真に人間性を磨く、人と人の魂のぶつかり合いを避け、砂礫のような表面的な知識や経験を与えることで満足していないでしょうか?
時とともに、必要とされる教育に変化があるのは当然のことです。が、全ての礎には、いつになっても変わらない人間本来の自然な性質に根差した教育がある。それは、どんなことにも、自分のこととして、真剣に取り組む姿勢を、教師と子どもの魂のぶつかり合いを通して育てていくことだ、と考えています。
私どもの取り組む教育は、派手な行事、目につく成果を競うものではありません。ともすると気が付かないようなものかもしれません。私どもは、それを偉大なる平凡ととらえ、毎日を丁寧に、淡々と積み重ねることに、これからも変わらずに専心していきます。