むさしの学園小学校には、付属の中学や高校はありません。
そこで、子ども達一人一人の個を伸ばすのに合った進路を考え、中学受験に挑むご家庭が多いのが実情です。
むさしの学園は、伸びやかな環境で、子ども達が子ども達らしく過ごすことを大切にしています。
すると、その伸びやかで、子どもらしい毎日と受験対策は、どう両立するのか、という課題も生じるでしょう。
このことについて、ある保護者の方とお話をしているうちに、解決のヒントとして、次の3つがあることがわかりました。
まず、1つ目が、低学年の頃から、学びと生活の習慣化をすることです。
学びの時間になったら、それにふさわしい机の上を整え、聞くべき時にはしっかり聞く習慣をつけます。
入試対策に直結することではないかもしれませんが、すべき時に、すべきことをする習慣を1年生から積んでいることは、難しい学びに取り組む土台になるでしょう。
次に2つ目が、野川の時間、各授業後の休み時間など、体を動かし、学びからしっかり離れる時間を取ることです。
学園では、集中して取り組むことを大切にしています。
すると、その分、休み時間には、教室を離れ、全く別のことに気持ちを向けることが必要です。
そして、体をしっかり動かすことで、より、次の時間の学びに向かうことができます。
野川の時間は、体を動かすだけでなく、緑に包まれた時間を過ごします。
このことが子ども達の健全な精神を保つことに大いに効果があります。
そして、最後の3つ目は、保護者の方から教えていただいたことです。
それは、見てくれる、認めてくれる教師が常にいることです。
むさしの学園には、職員室がありません。
教師は、常に子どもと過ごします。休み時間も可能な限り、一緒に遊びます。
私たちにとっては、それは当たり前のことになっていますが、保護者の方からすると、子どもがちょっと頑張ったことでも、わかっていてくれる先生の存在は、子ども達のやる気の源になっているように見えるそうです。
今日のテーマは、簡単な話ではありません。
中学受験への取り組みも、家庭によりさまざまです。
学園ができることには限りもあります。
しかし、学園では、子ども達が、それぞれの力を発揮しやすく、一人一人が充実して過ごせる進路に進むことができるよう、関心を持ち、その土台を固めることに取り組んでいきます。