昨日、市ヶ谷の私学会館にて、日本私立小学校連合会・創立80周年記念式典が行われました。
式典には、末松文部科学大臣にもご臨席いただき、厳かな中にも、心のこもった温かみを感じる式典でありました。
コロナ禍ということもあり、短時間のため、式辞や祝辞を述べてくださる方の数にも制約がありましたが、その中でも、多く出てきたキーワードが、この2つです。
・昭和16年
・私立小学校間の団結
これはどういうことかというと、昭和16年、時代が太平洋戦争に向かう中、尋常小学校は国民学校として改編し、私立小学校は廃止するという動きになったことに始まります。
その知らせに接し、各私立小学校の校長は結集して難局にあたることを確認し、これが日本私立小学校連合会の母体となったそうです。
さて、最近、公立の学校と私立の学校は、どう違うのですかと聞かれることが多くあります。
具体的な教育や行事の内容としての違いも、もちろんあるのでしょうが、時代を超えて、建学の精神・創立理念が脈々と続いている、というところが根本的な違いなのではないかと私は考えています。
むさしの学園は、もうすぐ創立100年を迎えます。
戦局が悪くなると、空襲警報の中、どうやって子ども達の安全を守るかを教師たちが話し合い、最後には校地を接収されることにもなります。
そんな幾多の危機を乗り越え、時代の変化に応じながらも守り続けてきたのは、伸びやかな環境・自然に身を置くことの大切さです。
今、それが具現化されている例の1つが野川の時間です。
木々の緑にあふれ、小川のせせらぎにも触れることができます。
もとがゴルフ場でしたから、開けた草地もあります。
いろいろな過ごし方、それぞれの存在を包み込んでくれる、本当に豊かな空間です。
小学生の6年間は、人格の基盤を形成する、とても重要な時間です。
その6年間を、このような伸びやかな、豊かな空間で過ごすことは、明確な数値化はできない、かけがえのない価値を培うと、むさしの学園では考えています。